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プレゼンのツールとルール「感情を動かすためのコンテンツ」
上手いプレゼンをたくさん見る機会が増えて、プレゼンが上手い人が増えたよね。でもやっぱりその上に載るコンテンツに意味があることが本当に重要で、それは道具がどれだけ進化しても変わらないと思う。だから主役はスライドじゃなくて喋る人。
その上で僕が考えるのは、コンテンツが記憶に残ること。人間の記憶に残るのは、3つの条件があって、一つ目は、内容を理解できるかどうか、二つ目は集中して聞けるかどうか、三つ目が一番大事で、感情が動くかどうか。人間は感情が動かないと記憶しない。すごいと思ったことは記憶する。
僕の持論はそのためにプレゼンは美しくなくちゃいけない。多くの人が使いやすいのは写真だよね。僕はそのときのストーリーを印象付ける写真をたくさん使う。
自分にもロジカルだけでは攻め落とせないところがあって、「ちょっとこの映像を見てください」と、そこで3分くらい映像を見てもらうことがよくある。相手に伝えたくても、言葉にならないことを伝えたいっていう時に、スライドを使うことが誠実な態度だと思うんだよね。

ビジネスパーソンへのメッセージ「プレゼンを鍛えるには自分自身を鍛える」

プレゼンで見せるのは自分自身。しゃべりながら嘘をつかなければ人前でしゃべるときに自信がでる。お客様に理解していただかなければならないのは、自分がどうしたいのかというビジョンが大事。つまり、あなたとは誰かということ。その態度というものを自分の中でつくる、ビジネスパーソンである以上、作っていかなければならないと思う。
ビジョンがある人のプレゼンは、多少口が回らなくたって、素晴らしいプレゼンになるよね。それを鍛えるには自分を鍛えると。

今後の酒井さんのプレゼン人生「プレゼンによって相手を動かすこと」
プレゼンで伝わった結果、期待しているのは相手の行動が変わること。行動がかわることで相手が成功したり、何らかの幸せを手にしてくれることだよね。
プレゼンは、観客になってくれた人が、たいていは元気になること、いいほうに変わることを目的にしているよね。
その上で、プレゼンをするためには、結局その向こう側でなにを目指しているのかが重要。相手を動かすことを本当に目指しているんだったら、結局、PPT というものを忘れていくんじゃないかな。

酒井穣
フリービット株式会社 戦略人事部 ジェネラルマネージャー
1972年、東京生まれ。
慶應義塾大学理工学部卒。
Tilburg大学 TiasNimbasビジネス・スクール経営学修士号(MBA)を首席(The Best Student Award)で取得。
商社にて新事業開発、台湾向け精密機械の輸出営業などに従事。後、オランダの精密機械メーカーにエンジニアとして転職し、2000年にオランダに移住する。
2006年末に各種ウェブ・アプリケーションを開発するベンチャー企業である J3 Trust B.V.をオランダで創業し、最高財務責任者(CFO)としての活動を開始。2008年には、母校TiasNimbasビジネス・スクールのMBAプログラムにて臨時講義を受け持つ。
2009年春、8年8カ月間暮らしたオランダを離れ、現職に。帰国後も、東京大学 Learning Bar、慶應義塾大学 MCC、中央大学 MBAなどでゲスト講師を務める。
主な著書は、ベストセラーとなった『はじめての課長の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)や『「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト』(光文社)など。印税寄付プログラム Chabo!参加著者。